ドクターゆきこをご紹介します。
日本人にはなじみの深い「温泉」。
しかし、一般の方にとっては、まだまだ知らないことも多いものです。
この地球の恵み、大地からの贈り物をもっとよく知り、心と体をほっと休めるひとときに役立てて頂ければと思い、専門の先生にお話をして頂くことにしました。
ゆきこ先生こと那須野友規子先生は、山水園のある湯田温泉にいらっしゃる、漢方内科・リウマチ科・アレルギー科の開業医で、日本温泉気候物理学会の温泉療法専門医・温泉療法認定医として活躍されています。
特に温泉療法専門医は全国でも少数で、ゆきこ先生は日本で最初にこの専門医となられた女性です。現在でもこの資格者は県内に先生を含め二人しかおられません。まさに「温泉と健康のことならこの人に聞け」という方と言えましょう。
湯田温泉は日本屈指の良質な泉質であると言われています。その効能を正しく、最大限に活用して、あなたの健康にお役立て頂ければ幸いです。
漢方内科 リュウマチ科 アレルギー科
ゆきこクリニック
山口市泉都町10-4
083-925-8218
診療/月~金曜午前と火・金曜午後
山水園社長 中野愛子
ドクターゆきこの温泉豆講話
1.飲泉について
温泉が、身体に吸収される方法として、
①泉浴(皮膚から体内へ)
②吸入(鼻、咽喉、気管の粘膜から体内へ)
③飲泉(口腔、消化器管から体内へ)
の3方法があります。泉浴は皮膚を介して吸入と飲泉は粘膜を介して体内に入っていきます。
温泉成分がどこに入っていくかは、例えば、前立腺・膵臓などは亜鉛が多く、温泉成分の亜鉛は前立腺・膵臓に集まりやすいのです。
また骨髄・副腎・脾臓・膵臓などは、生理的に硫黄含有量の多い臓器なので、温泉成分の硫黄は、これらの場所に集まりやすくなります。
吸収された成分の体内分布は、飲泉でも泉浴でも同様とされています。温泉水は、陽イオン・陰イオンに分かれて、溶けて存在しています。陽イオンは、PHがアルカリ性(7以上)であるほど経皮吸収がよく、陰イオンはPHが酸性(7以下)であるほど、経皮吸収が良いのです。
山水園の3本の源泉のうち「美かどの湯」を使った「翠山の湯」の飲泉所は湯田温泉では最初のもの。これは、アルカリ性単純温泉で、陽イオンは、Naイオン、Caイオン、Kイオン、Mgイオン、陰イオンは、炭酸水素イオ ン、塩素イオン、フッ素イオン等を溶存しています。
これらは胃腸病・腎尿路疾患・痛風なとに適応するかと考えられますが、水分補給もかねて、楽しみに入浴前 に、コップ1杯くらいを飲泉して泉浴するとよいでしょう。
飲泉により病気が治るという実験はされていませんが、経験上、古代ローマ時代より現代に至るまで、ヨーロッパでは飲泉・吸入は盛んにおこなわれています。
禁忌症、適応症及び飲用上の注意
1 泉質別禁忌症及び適応症
なし
2飲用上の注意事項
(1)飲泉療養に際しては、温泉について専門的知識を有する医師の指導を
受けることが望ましい。
(2)飲用許容量は、次のとおりとすること。
ア 大人(16歳以上の者)
1回の量は一般に100mLないし200mL程度とし、その1日量は
おおむね200mLないし500mLまでとする。
イ 小人(15歳以下の者)
15歳以下の者については、知見が必ずしも十分にないため、
原則的には飲用を避けること。ただし、例外的に飲用する場合には
医師の指導を受けること。
(3)飲用については次のことについて注意すること。
ア 一般には食前30分ないし1時間がよい。
イ 夕食後から就寝前の飲用はなるべく避けることが望ましい。
3決定年月日 平成19年12月4日
4決定者 山口